LOST MUSIC〜消えない残像〜
そして、そこに響いたのは小さな小さなむせび泣くような声――。
長い睫毛の先をつたって、真っ直ぐに落ち、膝を打つ錫代の涙。
僅かに跳ね返るその雫は、光を受け、まるで宝石のように煌めいていた。
胸が握り潰されるみたいに締め付けられる。
俺の心は知ってるんだ――。
よく似た涙を――、
こんなにも綺麗で透き通る涙を――。
星羅にやっぱりそっくりなんだよ……。
「ありがとうございます……。わたし、――私、頑張ります――」
星羅以外に初めて見た――。
こんなに純粋な涙も、星のように輝く笑顔も。