LOST MUSIC〜消えない残像〜
「じゃあ、奏斗も来たことだし、昼飯作るか。炒飯でいいか?」
冷蔵庫の中身を確認しながら、俺等に聞く智也。
「やったやった!智也の料理、超美味しいもんね!」
にこにこな千秋は飛び跳ねて子供みたいにはしゃいでいる。
まあ、智也の料理は本当にうまいから仕方ない。
「そんなに期待されると困るなぁ。まあ、すぐ作るから待っててくれ」
だが、困るなんて言いながらも、智也の顔は嬉しそうに綻んでいた。
そして、手慣れた手つきで青いエプロンを身に付けると、手際よく準備を進めていく。
まさに、板に付いているとはこのことだと思う。