LOST MUSIC〜消えない残像〜
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川のせせらぎが心地よく耳に入ってくる。
そんな音色を耳にしながら急遽寄り道した俺は、桜ヶ橋をわたっていた。
輝く水面は青々とした木々を鏡のようにうつしている。
俺はその光景を横目に見た後、森林に囲まれた坂道を目の前にしていた。
このまま上へと行けば美星丘へと繋がっているが、今日の目的地はそこではない。
俺は右側にある小道に目を向けた。
林の中へ続く、踏み固められた赤茶色の土の細い道。
あても根拠もないくせに、俺は一体何をしているのだろうと自問自答したくなる。
しかし俺は小道に足を踏み入れた――。