LOST MUSIC〜消えない残像〜
……本当に……?
本当に星羅が……?
じゃあ、俺がこの間見たのは――。
「立花?誰だっけ?まあ、そんなのどうでもよくって、その一年の女子マジ可愛くてさぁ〜」
俺は深く溜め息を吐いて、俯き気味の顔を右手で覆う。
何を馬鹿げた夢を見てんだよ……。
たちまち周りの喧騒が、現実が、当たり前のように舞い戻ってくる。
そして、元々重かった足から全身に、毒のようにけだるさが広がっていった。
そのだるい体を預けるように窓にもたれ掛かれば、窓のひんやりとした冷たさが俺を夢から目覚めさせる。
「かーなーとー!サボるなー!!」