LOST MUSIC〜消えない残像〜
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冷房のよくきいた店内で、商品をレジに通す機械音がこだまするようにあちこちで鳴っている。
千秋の所に行った後、俺はスーパーに行き頼まれたものだけ籠にぶちこむとさっさとレジに並んだ。
ようやく自分の番が来れば、レジ打ちのおばさんが貼りつけたような営業スマイルを向ける。
そんな決まり切った笑顔を向けるくらいなら、どんどん仕事をしてほしいものだ。
俺はつい嫌気がさして視線を逸らす。
その刹那、どこかで聞き覚えのある声がした。
「あっ、奏斗先輩!」
声に導かれて目を向ければ、店内で恥ずかしげもなく大きく手を振る少女がいた。