LOST MUSIC〜消えない残像〜
だから、昔の親友とこんな関係になろうとも、俺はもう何とも思わない。
星羅がいなけりゃ、こんな脆い絆どうだっていい――。
「あぁ、そうかよ。じゃあ、お前から一度だって星羅に“好きだ”って言ったことあんのかよ?」
雅臣はより一層、手に力を加えると、必死に押さえ付けたような声で問いただす。
胸に鈍い痛みが駆け巡る――。
時間が止まったように静止する俺等とのしかかる空気。
「最期だって……一緒にいてやらなかったろ――」
目の前で、苦し気に雅臣の顔が歪む。
「雅臣には……俺の苦しさなんて分かんねぇよ」