LOST MUSIC〜消えない残像〜
夜空にぼんやり星羅の姿を見れば、同時に雅臣の叫びが脳内に響き渡る。
雅臣の言葉は、どこまでも胸を締め付けた。
それは俺の心の痛い部分を寸分の狂いなく射ぬいているから……。
弁解なんてできない。
寧ろ、雅臣の苦しい想いなど知らず、一人悲劇のどん底にいた馬鹿な自分を殴りたい――。
雅臣は強いから、なんてただの言い訳。
恋人を失ったから、なんてただの同情ひき。
夢も友情も希望も捨てたのも、“可哀想な俺”を作り出したのも、俺自身なんだ……。
「あ、やっと見つけた――」
後ろから聞こえた声にはっとすれば、そこには地上に降りた星のように輝く錫代の笑顔があった。