LOST MUSIC〜消えない残像〜
そんな星羅をいつ意識し始めたのかは分からない。
昔から惹かれてたんだろうけど、好きだなんて改めて考えたこともなかったし、不器用な俺に想いなど口にできるはずもなかった。
でも、素直すぎる星羅は平気で口にする、俺のことが好きだと――。
その時の気恥ずかしさと喜びは今も忘れられない。
星羅もこんな俺を選ぶなんて、本当に変わってるよ――。
そうして星羅の告白から俺等は付き合うようになった。
付き合うといっても何も変わらず、俺はギターを弾きながら歌い、星羅はその隣で本を読むばかりだが。