LOST MUSIC〜消えない残像〜
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時を刻む秒針の音だけが、この空間を支配する。
息をするのも苦しいこの空間に、ソファーに座った俺は足元だけを見つめてただ耐えていた。
「もうこんなやる気のないやつ連れてこなくていいぞ、千秋」
氷みたいに冷たい雅臣の声が俺の丸めた背中に突き刺さる。
「……だけど、雅臣……」
そして、そんな雅臣の声にいつも萎れた声を出す千秋。
ほら、やっぱり俺はここにいるのに相応しい人間じゃないんだよ――。
「心配すんな。新入りが来れば、無理に連れてこられることもなくなるだろ」