LOST MUSIC〜消えない残像〜


「子供の分際であんな時間まで出歩いて、買ってやったギターもやめて、あんた一体何考えてるの」


もうがみがみ言われるのは聞き飽きた。


おふくろはいつも上から目線で頭ごなしにしか言わないんだから。


俺は嫌気がさして目を逸らす。


でも、逃がさんと言わんばかりに肩を掴んで向き合わされた。


「いつまであんたは、そうやって甘ったれてるの!星羅ちゃんに恥ずかしくないの!」


……星羅――。


おふくろの言葉が深く深く突き刺さる。


「何が分かんだよ、おふくろに……」


その時俺の中で何かが切れた――。



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