LOST MUSIC〜消えない残像〜
今は、ナイフのように感じてきた風も、俺の追い風になる。
まるで俺の背中を押すように――。
最後に残された険しい坂道だって関係ない。
今ならいくらでも走れるんだ。
星羅に会うためなら、どんなに遠くだって。
俺、強くなるよ。
もう繰り返さないから。
この坂を登れば、そこに星羅がいる――。
うまく言葉にできるか分からない。
でも、あと少しで伝えられる。
だから、待っててくれ、星羅。
俺は渾身の力を振り絞って、坂を駆け上がった――。