LOST MUSIC〜消えない残像〜


いつ見たって、すぐに見つけられる。


ベガの放つ光はいつだって、俺には一番輝いて見えるんだ。


あたたかく優しいその光に、視界が滲んでぼやけていく。


「……ごめんな、星羅。今更になっちまって……。」


ベガを見たら、自然と言葉が溢れた。


「最期も会いに行けない、情けない男でごめんな……」


胸が痛くて、目尻から涙が伝い落ちる。


もう遅いと思う……。


でも、それでも、俺は星に、星羅に向かって想いを紡ぐ。


今度は俺から伝えたい。


かっこ悪くても、俺の気持ちを――。



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