LOST MUSIC〜消えない残像〜
冷えた空気を吸い込んで、やっと声を絞りだす。
「こんな、こんな駄目な俺を、好きになってくれてありがとう――」
精一杯の、ありったけの想いを声にのせる。
今まで口にできなかった想いを、全部伝えたい。
だから、俺は星羅に叫ぶ。
「――俺は、星羅のことが、好きだ。昔だって今だって、ずっとずっと愛してる――」
胸の中にしまわれていた言葉が、空へとのぼる。
ずっと自分が邪魔をして、言えなかった想いがやっと今……。
体からは力が抜け、音をたてて膝が地面につく。
星羅に、届いただろうか……。
今更になって……、遅すぎたよな……。