LOST MUSIC〜消えない残像〜
心が吐き出した、叫びにも似た願い。
俺は、歌が、Stellarが大好きなんだ――。
膝についた掌は想いが溢れ出たように熱を持ち、指先にまで力がこもる。
また、こいつらと、あの日々みたいに夢を追いたい――。
俺は必死に願いながら、瞼をきつくきつく閉じた。
……でも、感じたのは後頭部に響く優しい衝撃。
不意に与えられたその衝撃に、張り詰めた糸が緩むかの如く体の力が抜けてゆく。
そして徐に体を起こせば、目の前に立っていたのは雅臣だった。
「ったく、どんだけ待たせんだよ、馬鹿野郎――」