LOST MUSIC〜消えない残像〜


俺はふっと笑みをこぼす。


やっぱり雅臣は最高のダチだって――。


こんな馬鹿をずっと待っててくれたんだから。


幼い頃とは違う、互いに成長した拳を、俺等はしっかりと突き合わせた――。



「ねぇ、いつまで二人でやってんの?あたし達もいるんだけど」


すると、横からニヤケ顔で割り込んでくる千秋。


「おかえり、奏斗」


優しく顔を綻ばせる智也。


そして、嬉しそうに目を細める錫代。


胸にあたたかいものが込み上げてくる。


――俺はこんなにも支えられてたんだ。


今更になって見えてくる、星羅以外にも俺を想ってくれる存在が。


「――ありがとう。またよろしくな」



< 265 / 299 >

この作品をシェア

pagetop