LOST MUSIC〜消えない残像〜
俺等五人ははやる気持ちを抑えながら、野外ステージの裏で待機していた。
「あぁ、もううずうずするー!」
一番落ち着きのない千秋は、子供みたいに地団駄を踏んでて、こっちまで笑えてくる。
「一年ぶりのライブだからな――」
智也は、ステージを見つめやわらかく微笑み、雅臣はステージ裏に寄り掛かり瞳を閉じてその時を待つ。
きっとみんなこの日を待ってたんだ――。
腐ってた俺にはこんな日がくるなんて思っても見なかった。
だけど、俺も心の奥底で望んでいたのかもしれない……。
またあの輝くステージにのぼりたいと――。