LOST MUSIC〜消えない残像〜
……そんなに俺を苦しめたいか……。
これでもかと縄をしめられるように増していく胸の痛み。
目眩で歪んだ空間に、大事な記憶までをも迷い込んでしまいそうな感覚。
そんな苦しみの渦に巻き込まれそうな俺は、微かな気力でしがみつくように爪の跡がつくほど拳を握り締めた。
……もし神様という存在を認めるなら、すごく意地悪な存在だろう。
だって、俺の前に星羅にそっくりなやつをよこすんだから――。
俺は、あとどれだけの苦しみを味わえばいい……?
「あっ!――霧島――霧島奏斗先輩ですよね!?」