LOST MUSIC〜消えない残像〜
――その少女の言葉にまたも心臓が大きく跳ねる。
俺は驚いて少女の瞳をまじまじと見つめた。
――奏斗――。
星羅の花が咲いたような輝く笑顔が――、大事に紡がれる音の響きが――、ぴたりと重なる。
……聞きたくない聞きたくない……。
もう一度聞きたかった星羅の声なのに、耳を塞ぎたくなる。
それは星羅じゃないから?
それとも星羅をおそれているから……?
何でこの少女は俺を掻き乱す――?
「……ねぇ、何で……奏斗を知ってるの?」
千秋はかぼそい声でおずおずとその少女に問い掛けた。