LOST MUSIC〜消えない残像〜
「俺は――、だから俺は――、前を向いて生きます」
俺なんて、まだまだ無力で、ちっぽけで、かっこわるい。
だけど、藻掻いても、小さな一歩でもいいから、進んでいきたいんだ――。
「大切な彼女の分も、俺は懸命に生きていきます――」
鼻の奥がつんとするのを抑えて、強く空を見据える。
何があっても俺は前を向くよ――。
こいつらと、星羅と一緒だから。
「だから、精一杯のありがとうを込めて、星になった彼女にこの曲を贈ります。『星に捧ぐこのメロディ』」
メンバーを振り返って、一人一人と目を合わせ、心を一つにする。
そして、流れだしたメロディに、ありったけの星羅への想いをのせた――。