LOST MUSIC〜消えない残像〜
「わぁ、きれー!」
すると、千秋が甲高い声を上げて丘の上に勢い良く一番乗りした。
「こんなに綺麗な場所、奏斗と星羅だけで楽しんでたなんてずるい〜」
千秋は子供のように地団駄を踏んで拗ねながらも、どこか嬉しそうに瞳を輝かせる。
「あっ、ほら、智也も早く!」
急に駈け戻った千秋は、智也を強引に引っ張っていった。
「ちょ、千秋焦るなって。危ないからっ」
残された俺等はその光景に思わず笑い合う。
そして、ゆっくりとあとを追った。