LOST MUSIC〜消えない残像〜


今日も、星羅にそっくりな声が、俺の心をかき乱す。


「軽音部に戻ってきてください!」


リズムよく駆け寄ってきては、突然こんなことを言ってくる。


――突発的すぎて、その行動を理解する暇すらない。


こうして純真な瞳を向けてくるのは、……錫代翠月に他ならなかった。


「何度言ったら分かる。もう俺は戻らない」


俺はその透き通るような瞳から目を逸らし、逃げるように歩を進める。


でも、あくる日も、あくる日も飽きることなく俺を追い回してくるんだ。


いつも、俺の曇った瞳とは正反対な輝く瞳で。



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