LOST MUSIC〜消えない残像〜
当たり前のことに落胆するなんて、馬鹿げてる。
胸の内で自身を笑っていたら、光がさすような声が俺の耳に届いた。
「私、Stellarに、奏斗先輩の歌に、夢をもらったんです――!」
声は鈴のように綺麗で、俺は導かれるように、錫代と目を合わせていた。
――夢……。
瞳はキラキラと輝きながらも、どこか力強さを持っている。
忘れかけそうだが、よく見たことのある瞳だった。
そう、俺がどこかに落としてきたものが全て詰まってる瞳だったんだ……。
希望も、
夢も、
全部――。