LOST MUSIC〜消えない残像〜
「……お願いします。せめて、ギターを教えてほしいんです。夢をくれた奏斗先輩に――」
星羅にそっくりな人間が今、俺の前で頭を下げている。
こんなのってあるか……?
俺が星羅に頭を下げなきゃならないのに、何でなんだよ……。
他人から見れば後輩が頭を下げているだけの光景。
でも、この光景は俺の胸を痛いくらいに締め付けるんだ。
痛みに耐えるように、左胸のワイシャツを必死に力を込めて掴む。
痛みは壊さんばかりの勢いで容赦なく襲ってきた。
……なぁ、星羅、俺にどうしろっていうんだよ……?