LOST MUSIC〜消えない残像〜
――何でなんだろう……。
そんな錫代の姿に、いつも以上に星羅が重なって見えたのは……。
……何でこんなとこまで似てるんだよっ……。
俺は咄嗟に目を逸らした。
雅臣の言う通りだ……。
俺が一番錫代と星羅を重ねてる。
最低だな。
……馬鹿だよな。
俺はそのままくたびれた上履きに視線を落とす。
もうこんなに月日が経つのに、帰らぬあの日々を追い求めるだなんて、愚か過ぎる――。
「……錫代は、早くギターを弾けるようになることだけ考えてろ。」
そう、ここにいるのは無関係の“錫代”なのだから。