伝えたい想い 〜それでもあなたが好き〜
きっと愛美と2人分なのだろうお菓子を後で分けようとバッグにしまい、店を出ようとするとトントンと肩を叩かれた。
「それと、これも」
振り返ったあたしの前に差し出された彼の手には何か握られているようで。
首を傾げながら手を伸ばすと、あたしの手のひらには小さく折り畳まれた紙切れが乗せられた。
驚いて顔を上げると彼が身を屈め、あたしの耳元で小声で呟く。
「これ、俺の電話番号」
「え……?」
「あんまり出れないかもしれないけど……」
「全然いいですッ。ありがとう……!」
まさか連絡先を教えて貰えるなんて……。
ほとんど諦めていただけに、嬉しくて思わず頬が緩む。