伝えたい想い 〜それでもあなたが好き〜
帰りがけに、この神社名物の厄除けだんごを買って帰る事にした。
「みんないるしなぁ……2箱あれば足りるかな?」
「じゃぁ俺も2箱にしよ」
指を折りながらおばあちゃんの家にいる人数を数えていると、隣でケンジも2箱分のお金をお財布から取り出していた。
自販機でチケットを購入して窓口へ持って行き、商品と交換するというシステムなのだけど、ケンジは購入したチケットをあたしに差し出してきた。
「なに?」
もしかしてついでに交換してきて、という意味かと思ったらどうやら違ったようで。
「あげる。親戚集まってるんでしょ?2箱じゃ足りないって。だからこれも持ってきなよ」
「え!?いいよ、悪いし……!」
仲良くなって間もないし、ましてやこうして会って遊ぶのは今日が初めてなのにそんなに甘えるわけにはいかない。
でも遠慮してみたものの「いいから」と、半ば無理矢理渡されてしまった。
「何か、気遣わせちゃってごめん……」
「そんな気にするなって。どうせ俺1人じゃ2箱なんて食いきれねぅし(笑)
冗談っぽく笑って言われると少し気持ちが楽になり、なんだかんだで結局ケンジの好意に甘えてしまった。