伝えたい想い 〜それでもあなたが好き〜


「そういえば桃奈はさ、最近いい人いないの?」

口の中いっぱいに頬張っていたヒレカツを水で流し込み、一息ついてからそれに答える。

「……好きな人はできたよ」

「マジで!?どんな人?」

最近あたしの浮いた話がなかった所為か、亜季が楽しそうに身を乗り出してきた。

でも、その質問にあたしは少し口ごもらせてしまった。

ケンジとの事は人に言い触らすような事ではないから。

だけど亜季は親友だし、面白がって言い触らしたりするような子ではないから、相談の意味も込めて思い切って言ってみた。


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