伝えたい想い 〜それでもあなたが好き〜
「あの……アドレスとか聞いたら、教えてくれますか?」
「え?アドレス?えーっと……アドレスかぁ……うーん……アドレスねぇ……」
やばい。
首を捻ったり、腕を組んだりして考えている様子はどこからどう見ても困っているようにしか見えない。
「ご、ごめんなさい。無理だったらいいんです」
慌てて顔の前で手を振ると、彼は一瞬ホッとした表情を浮かべ、愛想笑いをしてた仕事に戻ってしまった。
その背中を見送りながら、がっくりと肩を落として愛美と目を合わせる。
「やっぱダメみたい」
「残念だったね」
今思えば一目惚れだったんだと思う。
彼の事は何一つ知らなかったけど、気が付いたら目で追っていた。
気になって仕方なかった。