伝えたい想い 〜それでもあなたが好き〜
「愛美ちゃん、いつも来てくれてありがとね」
「いーえー。いつ来ても美味しいし、楽しいしねッ」
程よくお酒が回ってきたらしい愛美は上機嫌で店長と話をしている。
「まだ食べられる?これ、いつも来てくれるお礼によかったらどうぞ」
「やった!店長、ありがとう!」
「えー!?いいんですか!?」
お礼、と称して店長が運んで来てくれたのはこの店の人気デザートのハニートースト。
こんがり焼けたパンにハチミツとチョコレート、バニラアイスがトッピングされていて、パンに立てられた2本の花火が華やかに火花を散らしている。
かなりの量を食べていた筈なのにハニートーストの甘い香が鼻腔をくすぐり、満腹に近かった胃がそれを受け入れようとスペースを作り始めた。
ハニートーストを食べている間にお会計を頼み、食べおわった頃に手渡された伝票を持ってレジへ向かうと運良く、というかそこにいたのは彼だった。