零才塔
「アナタ!ひょっとして塔の……?」
「何か知っているのか?教えてくれないか?」
懇願するミズキとは対照的に少女は腕を組んで偉そうである。しかし、瞳の奥は少し不安そうでもあり。
……更にじろじろと少女はミズキの全身を値踏みするように見つめた後
「ん……まぁ、君なら大丈夫かな?」
一体何が大丈夫なのか?
分からないまま、ただその背中に従うしか無い現状に軽く不満を感じるミズキだが……今は後に続く以外の術は持ち合わせていない。
小さなその背中を見失わないよう追いかけた。