零才塔
「もう……こんな世界にはしたくない」
「お願いします!私の願いはただ……平和である事……」
宮主とミズキが固く誓いを交わした頃、12ヶ月の期限は迫っていた。
「宮主様、私の仲間達を知りませんか?」
世界はもちろんの事、ここへ来てからずっと気掛かりだった事。
その時、天から声が響いた。
「開放しよう。我々からの恩返しだ」
耳に届いたその声は……あの老人のものだった。
「ひょっとして貴方は……」
言いかけたその時、空から眩い光が降りてきて辺りを包む。
そこには、消えた筈の仲間達がぽかんとした顔で立っていた。
最後まで人の話を遮るのですね?神は。ミズキはくすりと笑みを浮かべるとそっと天を仰いだ。