金魚草。



「ハ、ハルさんっ!?」



長身チャラ男の後ろで、意味も分からず絶句する男。


もうあたしは眼中にないってか…



「コイツ、君に何かしちゃった?」



ニッコリ笑うチャラ男の後ろで、なぜだか黄色い声があがった。


ははん、チャラいところ引いたら、この男は確かに良い男だけどね…

分からなくもないけどね…


あ、そうだ。

あたしは、怒ってるんだよ。



「あんた…なに?」

「え?俺のこと知らない?」



キョトンとするチャラ男。

あたしがあんたを知ってるわけないじゃん。


どんだけ自意識過剰なんだよ。



「…知らない。
ってゆうか、部外者は黙っててくれませんか?」

「あー…」



なにが“あー…”だよ。


絶句していた男は、あたしの言葉で青ざめる。

そして、ハッとしたようにあたしを見た。



「お、お前っ
ハルさんに向かって何てこと言いやがる!」

「…は?ハル?」



だから誰だよ、それ。

さっきから周りでその名前聞こえなくもないけど…



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