恋愛熱線
そうこうしているうちにチャイムがなった。
ホームルームがはじまる。
「お前ら!席に着け!」先生が教室に入るなり、怒鳴った。
私はそんな朝からよくデカい声出せるなと感じていた。
今日も普段通りにホームルームが進んでいくと思っていた。しかし、違った。
それは、先生からのお話の時だった。
「今日は、みんなに紹介したい奴がいる。入ってきて。」
ドアを開ける音がした。
入ってきたのは、男の子だった。
私は、その男の子をみたとたん 無意識に
「カッコイい。」 と言ってしまった。
隣の席にいた親友の夏希は、びっくりしていた。
なぜ、びっくりしたかというと、私はずっと男に無関心で興味もなかった。ましてやカッコイいや好きなど口にしたこともない。

ホームルームが終わった。クラスの女の子達はみんな転校生の男子のところへ行っている。ただ1人だけ、違った子がいた。親友の夏希である。 夏希は、私がカッコイいと言ってしまったことに興味があるのだ。
「ねぇ、留知亜どうしたの?」
「どうしたのって?」
「だから、さっきカッコイいっていってたじゃん。」
「もしかして、留知亜恋なんかしちゃったりして…」
「そんなはずないじゃん。ただ、カッコイいなぁと思っただけ。」
「ふぅん、まぁ好きかってこと、問い詰めないけど、好きならば早く好きって言った方がいいとおもうよ。誰かに取られちゃったりして…」

私は、少し気になっていた。転校生のことを…
ただ、好きでも言い出せなかった。だって、こんなにブス子でジミ子な私が好きなんて言ったら、いくら親友でも少しバカにされると思ったから。
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