RPG学園♪
「逃げろ!」

魔族が逃げ出す。

「逃がすと思うか?


『火』

『飛び火』」


ドウッ、

炎の斬撃が魔族を焼き切る。




「おい、幸大!!

冷静になれ!」

史郎が言う。

「俺は冷静だ。

だが、奴らを許す気はない。」


「全員でかかるぞ!!」

魔族が一斉に攻撃態勢に入る。



「ふぅ。

気まぐれで出張をしたら面倒な場面に出くわしたな。」

男がのんびりと歩いて来る。


「誰だ?」

幸大が訊く。

「俺?

名乗るほどの者じゃない…ってか。


魔法教師。

ここに来たのは、出張。

今から帰るところだ。」

「あんた、この状況がわかってんのか?」

「ああ。


ところで、そこの君。」

男が史郎を指差す。

「君の考えは間違ってる。」

「え?」

「物理的な攻撃をする時は冷静にならなきゃいけない。

だがな、彼のように精神的な力を具現化する場合は思いの強さが力になる。


だから、君はもっと怒っていい。

熱くなっていい。

君の思いの強さが君の力の強さ。

あそこの中にいるのは君の彼女?」

「ああ。

あと、そこの杖を持った奴もな。」

「そうか。

魔法を使う時も、思いの強さが力になる。


だから、君が彼女たちを思う強さがあれば無敵だ。

逆に、彼女たちが君のことを思うほど彼女たちも強くなる。」
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