RPG学園♪
ざわっ、


「な!?

何だ…今のは?」

知也が言う。

「知也先輩も感じましたか?」


「ああ。」

「まるで周りの全てが消えて闇に飲み込まれたかのような感覚でした。」



『特に気の利いた言葉でもなく、

本来なら心に響かないような言葉。


ただ単純な言葉なのに…

私はその時死んだ。

そして、魂になった私を奴は再びこの肉体に戻した。

魔族の魂として、な。』

「…。」


『こんなところで話してて良いのか?

貴様の仲間もどうなったことやら。』


「…あんたは、今も人間が嫌いなのか?」


『ああ。

今だ人間を信じられないし、人間などくだらない。』



「あんた…かわいそうだな。」

『私がかわいそう?』

「ああ。」

『貴様には解らない。


いや、わかった時にはすでに手遅れだ。


何があっても…この世界を許せない時がくる。』

「んなことはない。」

『例えばそこの女を貴様は愛しているな?

その女が死んだ時…

寿命ではなく誰かに殺された時も同じことが言えるか?


殺した奴を。

己の弱さを許せないはずだ。』




「…ああ。

でも、人間を嫌いにはならないし、

俺は―」
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