RPG学園♪
『ああ、もう、綺麗事ばかりでうるさいよ。

黙らないなら、黙らせるしかないよね。

お嬢ちゃん、君が悪いんだからね?』


中華包丁を強く握る。


「水瀬、

相手は幼いとは言え、中華包丁で人間の骨さえも簡単に切断するほどの怪力。

気を付けて。」

「はい。」




パンッ、


何かの破裂音。

『ん?』


「今の…沙耶さん?」


水瀬が訊く。

「違う。」

「じゃあ…

もしかして…」

水瀬が言う。

「何か心当たりでも?」

沙耶が言う。

「はい。

もしかしたら勝てるかも知れません。」


「…協力する。」


カチャッ、

水瀬は眼鏡のレンズに人指し指を当てる。


「先輩から教えてもらった

陰陽術の一種、さすが先輩です。

役に立ちそうです。」


「独り言は良いから早く。」

沙耶が言う。


「立ち直った瞬間から冷たいです…」


『グフフ。』


「発射。」


ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン、


細い閃光が男を襲う。


「呪文詠唱なしの魔法で仕留めるのは無理。

早くして。」
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