RPG学園♪
「なら、解決ってことだな。」


幸大が言う。

「はい。

あ、私は1年僧侶学科の水瀬です。」


少女が名乗る。

「お前、足を怪我してるんだろ?」

「はい。

でも、このくらいなら治癒魔法ですぐに治ります。

ただ、私は魔力が少ないので魔力を分けてくれませんか?」

水瀬が言う。

「私は魔力無いんだよね。」

奏が言う。

「残念だけど私もよ。」

柚葉が言う。


「魔力とは少し質が違うけど俺のは大丈夫だろう。

どうすれば良い?」

幸大が訊く。


「じ、じゃあ、私の手を握っててください。

治癒魔法が終わるまで離しちゃダメですよ?」

「ああ。」

ぎゅっ、


「行きます。」

ポウッ、

掌が優しく光る。


その掌を水瀬は自分の足に当てた。


「あったかいです。

魔力とは違って、とても優しい力。」


ゴウッ、

光が強くなり、足が治る。


「ありがとうございました。」

水瀬が言う。


「あの、手を離してくれないか?」

幸大が言う。


「もう少し、手を繋いでて良いですか、先輩?」

水瀬が言う。


「…まぁ、少しなら。」


「幸大…」

「兄様…」


ジトーッ、


「そんな眼で見るなよ…。」
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