RPG学園♪
「まぁ、俺のは魔法じゃないけどな。

コツは当てるって感覚より、

引き寄せられる、かな?」


沙耶はジッと幸大を見つめる。


「解んないか?


そうだな…

空き缶に当たるってよりも、

空き缶の場所を通るって方が解りやすいか?」


「解った。」


沙耶は杖を持ち、目を閉じ、そして、


目を開けると同時に閃光が杖から放たれた。


ドヒュンッ、

バシュンッ、


空き缶の一部が削りとられた。


「当たった。」


「じゃあ、動くモノ相手に打ってみるか?」


「…(コクッ)」


「式神『鳥』」


ボゥンッ、

札が白い鳥に変わった。

薄く白く光っているため夕暮れでも見える。


「アレを打ち落としてみな。」


「…(コクッ)」


ドヒュンッ、


当たらない。


「式神も動くからな。

しっかり当てろよ?」


「…(コクッ)」


ドヒュンッ、







一時間後



結局当たらなかった。


「そろそろ真っ暗になったし、止めにしようぜ?」

幸大が言う。


「…(コクッ)」

「沙耶って表情が薄いのか?」


「…(コクッ)」

「そうか。

また明日やろうな。」


「…(コクッ)


お礼がしたい。」

「じゃあさ、一回だけで良いから笑ってくれないか?」


「…(コクッ)」


ふわっ。


「あ…」

まるで世界を一瞬で変えたかのような、笑み。


「…反則的な可愛さだな。

俺のハーレムメンバーと互角だ。


もし、何かあったら2年の総合学科を訪ねてこい。」
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