RPG学園♪
「まったく。

お前も何で無闇についていくんだ?」

「楽しいことがあるって言うから。」

「楽しいことって…

お前が楽しいって思うのはどんなことなんだよ?」


スッ、

幸大を指差す。

「俺?」

「貴方といると楽しい。」

「…そうか。

でも特別面白いこともしてないし、お前が大笑いしてる所も見たことないけどな。」

「私が楽しいと思える理由。」

幸大をジッと見つめる。

「理由って?」

「私は貴方が好きだから。」


「…お、」

「…?」

「俺も好きだ!

可愛すぎだぞこのやろう!!」


沙耶に抱きつく。


「…。」

「なぁ、前みたいに笑ってくんないか?」

「…いや。」

「え?」

「ギブアンドテイク。」


「…。

お姫様は何がお望みで?」

「キス。」


「…そうか。

じゃあ、これからは俺がキスしたら一回につき必ず一回、笑顔を見せろよ?」


「約束。」

沙耶が小指をだす。


「おう。」

指切りをする。


「良いか?」


「…(コクッ)」



キスをする。

静かな、まるで世界から音が消えるような。

二人の息づかいしか残らない音の世界。


「ふぅ。」

「…。」

「あ…」

沙耶の笑顔に幸大は思わず声を出す。

すぐに無表情に戻る。

「くっそ〜

もうちょい続けてくれよ。」

「ギブアンドテイク。」

「しゃーねぇなぁ。」


再びキスをし、笑顔を堪能した。
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