RPG学園♪
『私は…彼にじゃなく誰でもいいから手を伸ばしてほしかったのかな?』


「んなもん俺が知るか。」

『そうね。

私、行くわ。


本当に…』

言葉を言い切る前に幽霊の体が光る。


「ったく、人騒がせな奴だな。

生まれ変わったら、また会おうな。」


スウッ、


辺りは何もなかったかのように静まった。

湖にあるのは幸大が作った桟橋だけ。


「さて、桟橋を燃やして帰るか。」

ゴウッ、

桟橋が燃えながら湖に落ちた。




「ってか、寒っ!」

奏が言う。

「またお風呂に入らないといけないわね。」

柚葉が言う。

「早く温まりたいです。」

水瀬が言う。

「…(コクッ)」

沙耶が頷く。


「俺も早く風呂に入りてぇ。」

幸大が言う。


「先輩、もう一回私たちと入りますか?」

水瀬が言う。


「遠慮しとく。」

「それは残念ですね。」

水瀬が悔しがる。


「な、なんなら俺がご一緒するけど!?」


知也がマジの目で言う。


「あら、貴方の背骨が逆方向にどれだけ曲げれるか…

限界を超せるか試す?」

柚葉が言う。


「それ、背骨が折れますよね!?」


「どうかした?」

沙耶が幸大に訊く。

「いや…」

幸大は湖を見る。



―ありがとう―


「どういたしまして。」


「ん?

幸大、今何か言った?」

奏が訊く。

「何も言ってねぇよ。」
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