RPG学園♪
「ショーだと公演時間を定めてやれば3人でも回せるな。」

幸大が言う。

「だけど、2ヶ月で見世物になる芸は簡単には身に付かん。」

史郎が言う。

「アトラクションにしても、お化け屋敷が使えないとなると、何かないかな〜。」

知也が言う。


「射的とか輪投げはどうだ?」

奏が言う。

「どうせやるなら金になるモノが良い。

そんなちゃっちいヤツだと客層がとても狭くなる。」


史郎が言う。

「だったら何か品物を売ったらどうかしら?」

柚葉が言う。

「手作りなら材料を安くして販売できますね。」

水瀬が言う。

「手作りってムズいだろ。」

知也が言う。

「俺がずっと出れたら良いんだが、俺も休憩がほしいしな。」

幸大が言う。

「手作りできるの?」

沙耶が訊く。

「ああ。

夏休みの幽霊の時にさ、水から桟橋を作っただろ?

あれとおんなじ。


陰陽道の五行にある相生(そうしょう)ってやつだ。


木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む。


つまり…」

幸大は知也の宿題を留めていたクリップを手にとる。

「こういうことだ。」


ピチャッ、

クリップから水が出た。


「実はこの業、質量保存の法則を無視してる。」

幸大が言う。

「その点では魔法に近い。」
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