RPG学園♪
「弱いわね。」

僧侶が結衣に言う。

「くっ…」

「まったく、しー君とかふざけたこと言ってる前に、剣の腕でも磨きなさい。」

「うっ…」


「だいたい、相手もそんな変なあだ名で呼ばれるのは嫌がってるはずよ。」

「しー君はそんな人じゃ…」

「はぁ〜

貴方はバカね。

まぁ、相手も総合学科の落ちこぼれ。

雑魚で馬鹿で…

ある意味お似合いね。」


「…。」

結衣の肩が震えた。

「あら?

怒ってるの?

自分をバカにされるのは嫌なのかしら?」


「嫌じゃないよ。」

「じゃあ、なぜ怒ってるの?」

「しー君を馬鹿にした。」

「は?」

「許さない。」

「何であんたが怒るのよ。」

「しー君を馬鹿にしたから。」

「は?

理由になってないわよ。」

「許さない。」

剣を振り下ろす。

「そんな攻撃で私に勝てると…」

バキンッ、

僧侶の剣が折れた。

「う、嘘でしょ?

剣を簡単に折るなんて…」

「許さない。」


ヒュッ、

バゴンッ、

振り下ろされた剣が地面に当たると地面が砕けた。

「ゆ、許して。

ごめんなさい。

謝るから!!」

「謝っても、許さない。」

「こ、降参します!」


『棄権を認めます。』

審判が言う。

「棄権しても許さない。」

「へ?

嘘でしょ?」

結衣が近づく。

「結衣、止めとけ。」

史郎が言う。

「しー君…

でも…」

「俺は結衣が俺のために怒ってくれただけで十分だ。」

「…しー君…」

結衣が見つめる。

「何だよ?」

「しー君はしー君って呼ばれるのは嫌?」

「…他の奴に呼ばれんのはな。」

「じゃあ、私は?」

「俺をしー君って呼んで良いのは結衣だけだ。」

「しー君!!」

結衣が抱きつく。
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