Don't a hero
俺はファミレスに向かった。
ファミレスに着くと、いつもの端の席に、まだ彼の姿はない。
『とりあえず座ってまっとくか…。』
俺は端の席に着き、窓ガラスを眺める。
新しくできたケーキ屋…
花屋…
おしゃれな雑貨屋…
コンビニ…
そして、同じ道を行き交う人々…
あたり前の景色がなぜか新鮮に見えた。
それが無性に嬉しかった。
いままでつまらない生活を送ってきたが、こんな体験をできるなんて思っていなかった。
今、俺は空をも飛べるような気持ちだった。