Don't a hero



金に近い茶髪の頭を涼しいかぜになびかせ、太陽に逆らうように日差しを手で遮る。






『今日はいつもより授業が長いな…。それにテストも近い…。』





そんなことを考えいつもと同じ道を歩く。





「お〜い!賢吾ーー!!まってよー!」




ガバッ




後ろからおもいっきりのし掛かられた。




「いってーなー!!」



「あ〜ごめんごめーん!な!一緒学校行こーぜ!!」



朝っぱらから無駄に元気なコイツに絡まれると調子がくるう。





熊谷 雅樹(クマガイ カズキ)…


俺のクラスメイトだ。いつも無駄に元気。まったく…。そのテンションにいつも付き合うこっちの身にもなってほしいもんだ…。



「あれ?賢吾どーした?」


「あぁ。なんでもねーよ。」


「そっか。ってかな!俺この前隣のクラスのめっちゃ美人にコクられてさぁ〜!いや〜モテる男はつらいよ〜」


和樹の自慢話がはじまった。


いや、決して本人は自慢話だと思ってはいないだろう。



スラッとしたみのこなし、切れ長な目、きれいな黒髪、そして、太陽のような笑顔…。



女子にとってはまさに「理想の男」だ。





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