Don't a hero
俺達は見事、特大パフェを制覇した。
まぁ、後半から俺一人で食ってたけどな…。
「お…おめでとうございます…。」
店員はストップウォッチを止め、呆然としている。
周りの客もざわついている。
「やったなぁ〜賢吾!!」
「ああ!」
俺達は立ち上がり、ハイタッチを交わした。
「では…賞金です。」
店員から手渡しで5000円札を貰った。
「賢吾〜!これでラーメン食えるな〜!!」
俺の手にある5000円を横からのぞきながら喜ぶ雅樹。
「お客様が初めての特大パフェ完食者です!こちらに写真を飾りたいと思いますので、こちらにきて撮影しましょう。」
店員は1枚の大きな画用紙を指差した。
画用紙には小さい枠が沢山ある。
どうやら、特大パフェを完食した人はその枠に写真を貼ってもらえるらしい。
「ではとりますよ〜。」
店員の声がかかり、他の客の視線が俺達に集中する。
「はいっ!チーズ!」
パチッ――
「うわー!なんかいいなぁ!」
雅樹は貼られている自分達の写真を見るなり、満足げに言った。
画用紙には雅樹が俺の肩をくみ、二人でピースしている写真が1枚貼られている…。
それが店の入り口のど真ん中に貼ってあるのがまた恥ずかしい…。