Don't a hero
俺は勢いよく後ろを向いた。
「やあ!」
後ろには黒ずくめの男が手を小さく振りながら立っていた。
「………りゅ…隆さん…!!」
俺は目を丸くして言った。
「こんなところで偶然だね〜!」
隆さんは満面の笑みを浮かべる。
「い…いつからいたんですか?」
俺は苦笑いをし、隆さんに訪ねた。
「うーん。最初っから!賢吾くん達が来てからずーっと後ろにいたんだよ。まさか気ずいてくれないとは…。」
隆さんは少し肩を落とし、ガッカリした顔をした。
「いや。普通に声かけてくださいよ。」
俺が少し呆れて言うと、隆さんは軽く笑った。
「あっ!そういえば、君は賢吾くんのお友達?よろしくね!」
隆さんは笑顔で手を差し出し、握手を求める。
「はいっ!賢吾の友達の熊谷 雅樹です!よろしくおねがいします!」
雅樹は元気に挨拶し、隆さんの手をとり握手した。
やはりこの二人、なにか似ているような…。
「ところで、隆さんはこんなところで何してるんですか?」