Don't a hero
「それはもちろん、ラーメンを食べに来たんだよ!俺、ラーメン好きだからね〜。」
俺が訪ねると、隆さんはニコッとしながら答えた。
そりゃぁ、ラーメン屋にいるんだからラーメン食いに来たに決まっているが…。
まさかここでも黒ずくめとは…。
「じゃあ、俺はこの辺で失礼するよ。じゃあね〜!」
隆さんは後ろを向き、俺らに手を振りながら店を出ていった。
「なぁ、賢吾。あの人誰?知りあい?」
雅樹は顔だけ俺の方に向け訪ねる。
「ああ。まあな。」
俺は曖昧に答えると、再びラーメンを口にした。
すると雅樹も「へ〜。」と言いながら、ラーメンを食べ始めた。
「そういやぁ…。」
雅樹は何かを思い出したかのように、ラーメンを食べる手を止め、俺を見た。
「賢吾!俺ら、これで特大もの制覇、何回目だっけ?」
「ああ。確か…。5回目くらいか?」
雅樹が問いかけると、俺はラーメンを食べながら横目で答えた。
「えぇー!まだ少ねーなー。」
「まあ、始めたのが高校からだからな。」
少しガッカリする雅樹を横に、俺はラーメンを食べおわった。
「うーん。じゃあ、高校卒業までに、100回突破しよーぜ!」