Don't a hero
雅樹にはサボっていることは言っていない。
理由は特にない。とゆうか、アイツには学校をサボるとゆうことなんて、考えたこともないだろう。
さぁ、今日はいつもより授業が長い。サボらないわけがない。
『さて、そろそろ行くか。』
そう思い、席を立つ。
学校をでようとすると、後ろから叫び声が聞こえる。
「こらぁぁ!賢吾ー!!学校サボんなぁぁ!!」
下駄箱から叫んでいるのは学級委員長の村谷 涼華(ムラタニ スズカ)。
俺が学校を抜け出すときは決まって止めにかかる。
セミロングの黒い髪、白い肌、一見お人形のような見た目だが、性格はというと、正義感が強く、サバサバしている。まさに「学級委員長」という名がとても似合っている。
「ちょっと!もう授業はじまるわよ!もどりなさいよ!!」
涼華はまだ叫んでいる。
「あー。了解でーす。」
俺は適当に答える。
言葉とは裏腹に、俺は学校を出た。
「ちょっ!賢吾ー!!」
『さぁて、今日は何するかなぁ〜』
何をするか考えるも、やることがない。よくやることはもう飽きた。
ゲームセンター、屋上、家、散歩…
『あぁ…。ダメだ。どれもパッとしない…。』
外はもう蒸し暑い。雲ひとつなく、太陽のひかりが俺だけをを照りつける。
『まぁ、とりあえず一回家に戻るか。』
周りには人1人もいない。木々の葉の風に揺れるおとだけがきれいに聞こえる。
『毎日毎日、退屈だから学校をサボってるのに、これじゃ学校より退屈だ…。いつも同じことの繰り返しだ…。この世界には、もっと面白くて刺激のあることはないのか?』
頭の中で愚痴をこぼしながら歩く。これもいつもと同じだ。
「はぁ…。」
ため息をつく。
すると…
「すみません…。」