Ruu!?
野球もそろそろ終盤だろうか、
じりじりと頭部が焼ける
ような暑さにうなりながら
俺は前でずらぁ―っと並ぶ
人ごみを見つめて思っていた
人の壁で野球が1ミクロも
見えない、
応援する気はサラッサラない
だからいいのだ、見えなくても
俺はぼんやりしながら
相変わらず背伸びする
瑠ヵに視線をおいた
やっぱデカい、
応援帽からでている
ポニーテールの先っちょが
小刻みに揺れている
「うおおおおおおおお!!」
急にあがる声援に
下を向いていた和也の肩が
びくん、と反応していた