【本編完結】家族恋愛 ~月と太陽~
「…月。」






ドクンと、心臓の音が高鳴る。




今まで月姉、とか小さい頃でも月ちゃん、だったのに…。




なんで?




「月、こっち向け。」


私の動揺なんかお構いなしで、陽日は私を呼び続ける。




やめて




そう、声に出せない祈りをし続けていたのに。


グイッ


私が一瞬、作業の手を離した時、陽日は強引に私の肩を引き、無理やり陽日の正面を向かせた。
< 62 / 113 >

この作品をシェア

pagetop